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コラムコラム

刀剣・刀装品

刀の名称|各部位・種類・日本の名刀までを紹介2026/06/12

刀の名称

日本の文化と技術の結晶である日本刀は、武器としての役割だけでなく、美術品としても高い評価を受けています。
その魅力を深く理解するためには、各部の名称や種類を知ることが第一歩です。
この記事では、刀の部位ごとの名称から、寸法や用途による種類の違い、そして数々の逸話を持つ日本の名刀まで、その名称を一覧で分かりやすく解説します。

刀の名称は3つのカテゴリで分けられる


刀の名称は、大きく分けて3つのカテゴリに分類できます。
1つ目は刀を構成する各部分の「部位の名称」、2つ目は長さや反りなど刀の形状による「種類の名称」、そして3つ目は歴史的な逸話や特徴に由来する「固有の名称(号)」です。
これらの名称は、刀の構造や歴史的背景を理解するための重要な手がかりとなります。

日本刀の各部位の名称一覧


日本刀を鑑賞する上で、各部位の名称を知ることは欠かせません。
刀は、刀身や拵など、多くの部分から成り立っており、それぞれの部位の役割や特徴を理解することで、より深くその魅力を味わうことができます。

ここでは、刀の各部、特に刀身から拵えの各部位に至るまで、その名称を解説します。

刀の名称

刀の切れ味や美しさを決める「刀身(とうしん)」の部位


刀身とは、刀の鞘に収められている金属部分全体を指します。
刀の先端は「切先(きっさき)」と呼ばれ、その切れ味を左右する最も重要な部分です。
切先と刀身本体を分ける線を「横手(よこて)」、刀身の側面で最も高くなっている稜線を「鎬(しのぎ)」と呼びます。

焼き入れによって付けられる刃の美しい模様は「刃文(はもん)」、刀身を軽量化するために彫られた溝は「樋(ひ)」と言います。
また、刀身と茎(なかご)の境目にある区切りは「区(まち)」と呼ばれ、刀身の根本にある刃の付いていない部分は「茎(なかご)に続く羽(は)のような部分」として認識されます。


刀身を柄に固定するための「茎(なかご)」の部位


茎は、刀身の根元にあたる部分で、柄に収めて刀を固定する重要な役割を担います

茎には、柄と刀身を目釘で固定するための目釘穴が開けられています。

表面には鑢目と呼ばれる滑り止めのためのヤスリが施されており、その模様は刀工の流派や時代を特定する手がかりにもなります。

また、作者の名前や製作年月日などが彫刻された銘が刻まれていることも多く、刀の価値を証明する上で極めて重要な部分です。


刀の外装部分である「拵(こしらえ)」の部位


拵とは、刀身を保護し、使用しやすくするための外装部分全体の総称です。
刀の持ち手部分は「柄」と呼ばれ、その先端を補強する金具が「縁」と「頭」です。
手を守るための鍔は、刀身と柄の間に装着される重要な装具です。

刀身を収める鞘は、刀を保護し安全に持ち運ぶ役割があります。
鞘の鯉口や鐺などの金具も、拵を構成する要素です。
これらの各部位は、実用性だけでなく、持ち主の身分や好みを反映した装飾が施されています。

寸法や用途で分類される日本刀の種類の名称


刀の名称

日本刀は、その長さや形状、反りの具合、そして使用された時代の戦闘様式によって様々な種類に分類されます。
代表的なものに「太刀(たち)」「打刀(うちがたな)」「脇差(わきざし)」「短刀(たんとう)」があり、それぞれ寸法や用途が異なります。
これ以外にも、長い柄を持つ「薙刀(なぎなた)」や、特定の刀工集団や流派によって特徴づけられる分類も存在します。


馬上で戦うために作られた「太刀(たち)」


太刀は、主に平安時代から鎌倉時代にかけて、馬に乗った武士が用いた刀です。
刃を下にして腰から吊るす「佩く」という形式で装着します。
全長が長く、反りが深い「腰反り」が特徴で、馬上で振り下ろして「断ち切る」のに適した形状をしています。

その優美で豪壮な姿は、この時代の武士の戦い方を象徴しています。


徒歩での戦闘に適した「打刀(うちがたな)」


打刀は、室町時代中期以降に主流となった刀で、徒歩での戦闘に適した形式です。
刃を上にして腰の帯に差すのが特徴で、このスタイルにより鞘から抜き放つ動作と斬りつける動作を一体化させた「抜き打ち」が可能になりました。

太刀に比べて反りが浅く、先に行くほど反る「先反り」のものが多く見られます。
戦国時代から江戸時代にかけて、武士の主要な武器として広く用いられました。


打刀と共に腰に差す短い刀「脇差(わきざし)」


脇差は、打刀よりも短い刀で、江戸時代の武士が打刀と共に腰に差したものです。
これを「大小拵」と呼び、武士の正式な差料とされました。
刃の長さは一般的に1尺以上2尺未満です。

打刀が使えないような狭い場所での戦闘や、打刀が破損した際の予備の武器として用いられました。
この2刀を差すスタイルは、武士の身分を象徴するものでもありました。


護身用として用いられた「短刀(たんとう)」


短刀は、刃の長さが1尺(約30.3cm)未満の短い刀剣の総称です。
主に鎧の隙間を突くための武器「鎧通し(よろいどおし)」や、近接戦闘での護身用として用いられました。
武士だけでなく、女性や商人も懐に忍ばせて護身具とすることがありました。

その用途から直線的な形状のものが多いですが、様々な造り込みや刃文が見られ、美術品としても高く評価されています。

逸話と共に語り継がれる日本の名刀の名称


日本刀の中には、その切れ味や美しさ、そして所有者にまつわる逸話から特別な「号(ごう)」を持つものが存在します。
これらの名刀は、単なる武器ではなく、歴史的な出来事や伝説と共に語り継がれてきました。
その名称は、作られた産地、刀工の名、見た目の特徴、あるいは伝説的な切れ味など、様々な背景に由来しています。


天下五剣の中で最も美しいと評される「三日月宗近」


三日月宗近とは、天下五剣の中でも最も美しいと称される名刀です。
平安時代の刀工、三条宗近の作とされ、国宝に指定されています。

その名の由来は、刃文の中に三日月のような形の「打除け」と呼ばれる模様が多く見られることにあります。
優美な太刀姿と、地鉄の美しさは他の追随を許さず、日本刀の最高傑作の一つとして知られています。


織田信長が手に入れたことで知られる「へし切長谷部」


へし切長谷部は、国宝に指定されている打刀で、南北朝時代の刀工、長谷部国重の作です。
この刀を天下人である織田信長が手に入れて愛用しました。
その名の由来は、信長が自分に反抗した観内という茶坊主を成敗する際、棚の下に隠れた彼を棚ごと「圧し切った」という逸話に基づいています。

後に黒田官兵衛に与えられ、福岡藩主黒田家に代々伝来しました。


童子切安綱と並び称される源氏の宝刀「鬼丸国綱」


鬼丸国綱は、天下五剣の一つに数えられる太刀で、京粟田口派の刀工である国綱によって作られたと伝わっています。源氏の各将軍に受け継がれた宝刀として知られています。その名の由来は、持ち主を夜な夜な苦しめていた小鬼の夢を見た時、この太刀がひとりでに動き出し、火鉢に飾られた鬼の置物を切りつけたという伝説から来ています。

同じく天下五剣の「童子切安綱」と並び称される名刀です。


足利義輝が最期に振るったとされる「骨喰藤四郎」


骨喰藤四郎は、鎌倉時代の刀工、粟田口吉光作の薙刀を磨り上げて刀にしたものです。
足利将軍家に伝来し、室町幕府13代将軍・足利義輝が永禄の変で最期を迎える際、襲撃してきた敵兵を相手にこの刀を振るって奮戦したと伝えられています。
斬る真似をしただけで相手の骨が砕けたという、その恐ろしい切れ味の伝説が「骨喰」の名の由来です。

各時代の権力者の手を渡り歩いた名刀です。

刀の名称に関するよくある質問


刀の名称について学ぶ中で、様々な疑問が浮かぶことがあります。
ここでは、刀の鑑賞方法や種類ごとの強さ、そして有名な刀の実物を見る方法など、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q1:刀を鑑賞するときはどの部位に注目すれば良いですか?


A:まずは刀全体の姿、反りの美しさ、そして光に透かしたときに見える刃文に注目するのがおすすめです。
特に刃文は刀の個性や刀工の技術が最も表れる見どころです。

慣れてきたら、刀身の地肌である地鉄の模様も鑑賞すると、より深く刀の魅力を感じられます。

Q2:太刀と打刀ではどちらが強いのですか?


A:一概にどちらが強いとは言えません。
太刀は馬上での戦い、打刀は地上での白兵戦を想定して作られており、それぞれに適した戦闘スタイルが異なります

武器の強さは、使用された時代背景や使用者の技量に大きく依存するため、単純な優劣で比較することは本質的ではありません。

Q3:有名な名刀は博物館などで実物を見られますか?


A:はい、見ることができます。
国宝や重要文化財に指定されている名刀の多くは、東京国立博物館や京都国立博物館、刀剣博物館などに所蔵されています。

ただし、刀身保護の観点から常設で展示されることは少なく、特別展や企画展で期間限定で公開される場合がほとんどです。

まとめ


刀の名称は、「部位の名称」「種類の名称」「固有の名称(号)」という3つのカテゴリに大別されます。
切先や刃文といった部位の呼び方、太刀や打刀といった形状による分類、そして三日月宗近のような歴史的背景を持つ固有の名前を知ることは、日本刀の構造や文化的価値を理解する上で不可欠です。
これらの知識は、博物館での鑑賞や、歴史物語をより深く楽しむための助けとなります。

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