人間国宝
失敗を唯一無二の特徴に 大澤光民2017/11/06
富山県高岡市は江戸時代から鋳物業が栄えた町で、高岡銅器は日本一のシェアを誇ります。この高岡市在住の鋳金家・大澤光民は2005年に重要無形文化財「彫金」の技術保持者として認定されました。大澤は高岡銅器の代表的な技法「焼造鋳造」に熟練しており、さらに「鋳ぐるみ」という独自の技法を確立させ、世間から高く評価されました。
最適とされる高度な鋳金技術で、「寄せ」と呼ばれる部分的な外型を原型に合わせていくつも作成し、最後にブロックのように一つに組み立て、中子を嵌め込んで完成させていきます。日本においてこの技術は、仏像や仏具、花器などの芸術的な作品の制作を通して発達してきました。
「大澤美術鋳造所」を創立してから11年が経とうとした頃、いつものように出来上がった鋳型を、着色を施す着色所に渡した時の事。本来なら鋳型の表面に打ち留めていた鉄筋を外してから渡していたものを、その日だけ鉄筋を外すのを忘れてそのまま渡してしまうというハプニングが発生しました。しかし、その鉄筋が着色用の液に浸すと化学反応を起こし、誰も予想だにしなかった茶色の光を放って浮かび上がってきました。―この瞬間こそ、前代未聞の鋳金の技法「鋳ぐるみ」を発見した瞬間でした。
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