人間国宝
独自の幾何学模様で現代感覚溢れる銅器 金森映井智2017/10/30

400年もの歴史を持つ高岡銅器。江戸時代の初め、加賀前田藩が鋳物の発祥地である河内丹南の技術を持った7人の鋳物職人を現在の富山県高岡市に招き、鋳物工場を開設したことに始まりました。
当初は大名に献上する美術工芸品として制作されていましたが、その後、仏具、鍋釜、花瓶、茶道具、装飾金具として国内外に広く普及していきました。明治期にはパリ万国博覧会に出品されたことから世界でも知られるようになり、全国の生産量の9割を占めるまでに至っています。その伝統産業を誇る高岡市で生まれ育った金森映井智は、富山県で初の重要無形文化財保持者に認定された人物です。
 
兄弟の長男として生まれました。生家は仏具用の歌詞の製造販売業を営んでいました。しかし金森は生家を継がず、小学校卒業時には高岡の地場産業である銅器工芸の道に進むことを心に決めていました。富山県立工芸学校金工科に進学し、ここで彫金、鋳金、鍛金、板金など幅広い金工の知識と技術と習得。卒業後は同校の教師でもあり、高岡彫金の名工内島市平に師事し、師を追うように商工省工芸展覧会に初出品。翌年金工家として独立しました。
独立してからは掃除や畑仕事、登山などを自らに課して自己鍛錬に努め、どんな苦境に挫けずに一貫して制作に心血を注ぎました。そうしたたゆまぬ努力が実を結び、1957年第4回日本工芸展に「青銅瑞鳥香炉」を出品し初入選、62年には日本工芸会正会員となり、69年高岡市市民功労賞表彰、翌年県政功労賞表彰を受けるなど、作家としての確固たる地位を獲得。80年には勲四等瑞宝章受章、89年には富山県で初の重要無形文化財保持者に認定されました。
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