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コラムコラム

陶磁器

【瀬戸物】の語源となった日本の焼き物の代表、瀬戸焼2021/05/06

みなさんは、「瀬戸物」という言葉を聞いたことはないでしょうか。陶磁器全般を表す一般名詞として定着していますが、その語源となったのが、愛知県瀬戸市と周辺地域で生産される「瀬戸焼」です。瀬戸焼は、日本六古窯や日本三大陶磁器の一つに数えられ、1000年以上の歴史を誇っています。

また、瀬戸焼は日本の焼き物の中でも珍しく、陶器と磁器が両方作られているのも特徴。日本の焼き物としては初めて、釉薬を使用して焼かれたことも特筆すべき点です。現在最も多く生産されている焼き物である「美濃焼」も、瀬戸焼の流れをくむ陶器として知られています。瀬戸焼が日本の焼き物に与えた影響は計り知れず、「陶磁器=瀬戸物」というイメージが定着したのも自然といえるでしょう。


瀬戸焼は中世で唯一釉薬を使用。「古瀬戸」と呼ばれ価値が高い


瀬戸焼の起源は、現在の名古屋市東山丘陵周辺に5世紀後半(古墳時代)から存在していた猿投窯(さなげよう)だとされています。猿投窯では、朝鮮半島から伝わった須恵器(すえき)を生産していました。須恵器は、粘土で作った器を素焼きにしたシンプルな焼き物です。

9世紀前半(平安時代)に入ると、植物の灰を釉薬(ゆうやく)にした灰釉(かいゆう)陶器が猿投窯で焼かれるようになります。釉薬は焼き物の表面をガラス質で覆い、耐水性をつけるのに加えて独特の光沢や模様が生まれるため、実用性の面でも芸術性の面でも大きな意味を持っていました

やがて10世紀後半になると、猿投窯から周辺地域へ焼き物の技術が拡散していきます。そして、新たな窯が設けられた場所の1つが現在の瀬戸市なのです。瀬戸窯の付近では良質な粘土や珪砂(ガラスの原料)が多く産出され、焼き物の生産にはうってつけでした。主な顧客は、当時の上層階級である京の貴族や寺院だったことがわかっています。

しかし、平安時代後期に入って日宋貿易が盛んになると、大陸の優れた陶磁器が大量に輸入され始め、貴族や寺院は輸入品を求めるようになります。その結果、国産の灰釉陶器は太刀打ちできなくなり、釉薬を使わない日常雑器である「山茶碗」の生産が中心になっていきました。つまり、庶民向けの焼き物の生産にシフトしたのです。

この変化は瀬戸窯も例外ではありませんでしたが、釉薬を使用した焼き物をやめたわけではなく、輸入品を模倣した焼き物を作るようになります。これが、日本の中世で唯一釉薬を使っていた焼き物「古瀬戸」です。古瀬戸の生産時期は、鎌倉時代初期から室町時代中期までの300年ほどで、優美な模様が描かれたものが多く、高い価値を誇っています。


有田焼に押されながらも、瀬戸焼は独自の発展を遂げる


古瀬戸は当時でも高級品で、庶民にはとても手が届かないものでした。しかし、室町時代中期に入ると、生産拠点は美濃(岐阜県南部)に移り、大窯を使った瀬戸焼の大量生産が始まります。美濃焼のルーツが瀬戸焼にあるとされるのもこのためです。大量生産のおかげで、瀬戸焼は庶民でも購入できるようになり、より身近な焼き物になりました。

また、桃山時代に入ると「茶の湯」の文化が流行し、瀬戸焼の茶陶器が数多く生産されるようになります。黄瀬戸・瀬戸黒・織部・志野といった、代表的な茶陶器が生まれたのもこの頃です。庶民向けの日用雑器から上層階級向けの品物まで幅広く生産され、瀬戸焼が隆盛を極めていた時期といっていいでしょう。

ところが、江戸時代に入ると九州の有田焼が急速に普及し、瀬戸焼は衰退してしまいます。それでも瀬戸焼の火は消えず、尾張藩の保護などによって技術をつなぎ、江戸時代後期には再び活性化。享和年間(1801年~1804年)には、有田焼に対抗するため染付磁器を開発し、陶器と磁器を両方生産するようになったのです。これ以降、瀬戸では陶器を「本業焼」、磁器を「新製焼」「染付焼」と呼んで区別するようになります。

そして明治時代に入ると、明治政府は殖産興業政策を掲げ、陶磁器製品の振興に乗り出しました。明治6年(1873年)にはウィーン万国博覧会に瀬戸焼が出品され、海外で高い評価を獲得。輸出品として大量の注文が入るようになります。さらに、大正3年(1914年)に第一次世界大戦が始まると、海外での陶磁器の生産がストップした影響で、日本製の陶磁器の需要が大いに高まりました。

その後、第二次世界大戦で物資が欠乏する中でも、瀬戸焼は生活用陶磁器や金属製品の代用品を生産して苦難を乗り越えます。幸いにして、瀬戸窯は戦火にほとんど巻き込まれず、戦後は急速な復興を遂げました。現在は食器やノベルティ、自動車部品に至るまで幅広く利用されています。みなさんのすぐそばにも、きっと瀬戸焼があるはずです。


古美術ますけんでは、瀬戸焼を買取しております。売却をご検討中でしたら、フリーダイヤル 0120-134-003 またはメールフォームやLINEにてお気軽にお問合せください。

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