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コラムコラム

陶磁器

鹿児島の焼き物から世界の芸術品となった焼き物【薩摩焼】2023/02/20

薩摩焼の二枚看板!その名は白薩摩と黒薩摩


薩摩焼は、薩摩国(現在の鹿児島県西部)で生産されてきた陶磁器です。
慶長3(1598)年、文禄・慶長の役から帰還した薩摩藩主・島津義弘が朝鮮人陶工らを薩摩に連れ帰ったのが始まりとされます。

作品は多数存在しますが、様式は白薩摩・黒薩摩・磁器 の3つに分類されていました。

白薩摩は現地の言葉で「白もん」と呼ばれてきました。淡黄色の焼き物に透明の釉薬を施し、焼成後は表面にひびが現れます。室内などの置き物や身につける装飾品として使用されてきました。

一方の黒薩摩は「黒もん」と呼ばれる黒い色の焼き物です。黒い色の正体は鉄分の豊富な陶土からきています。加えて白薩摩とは違って有色の釉薬を使用いるのも特徴です。黒薩摩は特に焼酎などを飲む際に使われてきました。

最後の磁器について説明させて頂きます。これは土が原料の陶器とは違い、陶石を原料としたものです。しかし現在は流派が途絶えており、製造されていません。



戦国と泰平の時代が育んだ、薩摩焼の多様な系統


薩摩焼の系統には、産地別に複数存在しています。主要なところでは、竪野系・苗代川系・龍門司系・西餅田系の4系統に集約されました。

竪野系は鹿児島市の北東方に窯址(ようし:窯の跡地)点在。かつては「古薩摩」と呼ばれて、茶器を多く製造していました。
戦国時代の文禄・慶長の役で、薩摩藩主・島津義弘が陶工を薩摩に連れ帰り、そのうち一人の金海(星山仲次)の開いた宇都窯にはじまるとされます。
竪野系は薩摩焼の主流としての役割を果たしてきており、現在も贈答用の茶器を製造しています。

苗代川系は、慶長10(1605)年に帰化した陶工・朴平意が開窯した窯が発祥とされています。現在の日置市東市来町美山近くに窯址が点在していました。
かつては黒薩摩を中心に作成していましたが、現在は白薩摩を中心に製造しています。

龍門司系は、江戸時代中期の元禄年間(1688~1704年)に陶工・卞芳仲が祖となって始まりました。姶良市東部に窯址が展開していたようです。
かつては黒薩摩を中心に酒器を作成。伝統的な民芸陶器を製造する点では苗代川系と似ています。

西餅田系は、窯址が姶良市南部に展開。江戸時代初期の寛文3(1663)年、小野元立が創設した窯が由来です。一名元立院焼の名でも知られ、薩摩焼の中でも異彩を放っています。



万国博覧会出品で注目!京薩摩からSATUMAへ


薩摩焼は戦国末期から江戸時代にかけて生まれ、発展を遂げてきました。そして特に目覚ましい進化は幕末に訪れます。
幕末の慶応3(1867)年、薩摩藩はフランスの万国博覧会に薩摩焼を出品。高い票を受けることに成功します。

国内産業であった薩摩焼は、一転して外国への輸出品という存在となったのでした。
欧米への輸出のために、薩摩焼は日本的な絵付を強調。京都の粟田口で錦光山などの窯元が金襴手様式の薩摩焼を製作します。
これは「京薩摩」と呼ばれ、鹿児島で製造された「本薩摩」と並び称されるようになりました。

欧米では薩摩焼を「SATUMA(薩摩)」と呼ぶようになります。加えてフランスではジャポニズムが流行しており、薩摩焼の影響を受けて、日本画のようなデザインの陶器が製造されました。


日本独自の陶磁器が海外で人気の商品に発展


薩摩焼の中で、国内に現存している歴史的な逸品を紹介していきます。「鼈甲釉水指(べっこうゆうみずさし)」と「色絵金彩象形香炉(いろえきんさいしょうけいこうろ)」です。

鼈甲釉水指は19世紀の江戸時代に焼かれた陶磁器でした。同作は平佐焼という薩摩焼の系統の一つで、天草石を用いて焼かれた磁器です。
鼈甲釉は中国の素三彩と同じ磁胎の三彩で、濃紫色の釉薬をしていました。
幕末の慶応元(1865)年に鼈甲釉が編み出されており、ちょうど海外で名声を博した頃の品と考えられます。

一方の色絵金彩象形香炉は、明治時代に焼かれた陶磁器です。象に楼閣などが載っており、西洋で人気のモチーフを採用しています。
当時の薩摩焼は欧米で高い人気を得ていました。しかし同作には薩摩焼独自の強みも生かされています。
細工物を色絵金彩で装飾するのは薩摩焼の得意とするところです。京都や横浜の薩摩焼でも同様にして作られており、流通目的を見据えた高品質な焼き物という点は守られていました。


おわりに


薩摩焼は白薩摩や黒薩摩の様式だけでなく、系統の窯ごとに多様な特徴を持ち合わせていました。
手が届かない高尚な芸術品ではなく、むしろ私たちの身近な生活の場にある器と言う方が近いでしょう。
国宝クラスの薩摩焼は、実は身近にあるのかも知れません。あなたのそばにもあるかも知れないので、一度確認してみてはいかがでしょう?



参考文献

・仁木正格『やきもの入門』 主婦の友社 2018年

参考サイト

・「薩摩焼」 KOGEI JAPAN HP

・「薩摩焼」 コトバンクHP

・「鼈甲釉水指」 文化遺産オンラインHP

・「色絵金彩象形香炉」 文化遺産オンラインHP

・「京薩摩」 清水三年坂美術館HP

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