人間国宝
住職兼陶芸家 練上手 松井康成2017/05/29
陶芸家には様々なタイプがいます。代々やきものを作る家に生まれそのまま陶芸の道に進む人、初めから陶芸家を目指して陶芸家になる人、はたまた仕事を辞めて陶芸家に転身する人・・・など。それぞれ夢や理由があって陶芸家になる訳ですが、この人の場合は後にも先にも中々珍しいタイプ。「練上手」で人間国宝に認定された松井康成で、茨城のお寺で住職を務めながらの陶芸家。いわゆる「2足の草鞋」で完璧にどちらもこなした異色の陶芸家でした。
松井康成は1927年、長野県北佐久郡本牧村に生まれました。父である宮城興四郎の転職に伴い幼少期は川崎市で過ごしましたが、戦時中には戦火を逃れる為父の生地である茨城県笠間町に家族で疎開移住しました。終戦後はアルバイトで笠間の月崇寺下にある奥田製陶所へ通い作陶技術を学びます。翌年の1947年に明治大学専門部文科文芸科に入学、この頃から東京国立博物館に通い、中国・朝鮮・日本の陶磁を研究しました。
練上は2種類以上の色土を組み合わせて作る為、土の収縮率の違いから亀裂が生じやすく成形が難しい。そのため松井が練上げの研究を始めた1960年代には手掛ける者もわずかでした。松井は試行錯誤の末、この亀裂が入るのを逆手にとって複雑な文様を作り、そこからさまざまな技法が生まれ、全く新しい陶磁の世界が展開されるようになりました。
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