人間国宝
窯変天目を生涯追い求めた孤高な作家 石黒宗麿2017/03/06

人間国宝とは正式には「重要無形文化財保持者」といいます。文化財保護法に定められているもので、歴史上または芸術上価値が高い無形文化財の中で特に重要な技を「重要無形文化財」に指定し、それを体得・体現している人を「保持者」として認定します。最初の認定は1955年に行われ、陶芸の部門では4人が認定されました。「瀬戸黒」と「志野」の荒川豊蔵、「色絵磁器」の富本憲吉、「民芸陶器」の濱田庄司、そして「鉄釉陶器」で認定された石黒宗麿もそのうちの一人です。
石黒宗麿は「鉄釉陶器」の技術保持者として人間国宝に認定されたものの、石黒本人にとっては鉄釉陶器は曜変天目の技法を極める為のほんの一つの事にすぎませでした。
かくして曜変天目の再現の為に陶芸に打ち込むようになった石黒でしたが、その壁は思った以上に高く長い道のりを辿る事になりました。初めて曜変天目を見てから25年の月日が過ぎた頃、試行錯誤を繰り返した末にに椋(むく)の葉を使った「木葉天目」の再現に成功しました。木葉天目は中国宋時代に作られ長く途絶えていた高度な陶技で、幻とされていた技法を復興させた事により、石黒の名は広く世に広まりました。それからは堰を切ったように自由で多彩な表現を追い求める様になり、戦後はチョーク描、黒釉褐斑、彩磁、絵唐津など、独創的な作風で幅広いジャンルを展開していき、世間からも高い評価を獲得しました。
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