人間国宝
伝統と革新の陶芸家 伊勢崎淳と備前焼2016/09/15
備前焼は、岡山県備前市伊部の一帯で焼かれる陶器のことで、朝鮮から伝わった須恵器が原形となり、独自の発展を遂げた焼物です。鎌倉時代中期になり【備前焼】と言われ始め、現在のような茶褐色の陶器が焼かれるようになりました。
粘土は鉄瓶や有機物を多く含んだ田んぼの土(田土)が使われます。この田土は耐火度が低く収縮率が大きいため、急激な温度の変化によりすぐに破損してしまいます。そのためゆっくりと時間をかけて、窯の温度を1200℃まで上げていき焼き締めます。
高温で燃やすには「松の木」の薪が適しており、この松の灰が窯の中で燃え尽きるとやがて灰になります。
その「灰」が焼成中の焼き物に付着すると「胡麻」と呼ばれる模様になったり、松の炭から出るガスによって黒く変色(「桟切」と呼ぶ)したり、藁をかぶせて焼くと赤いシルエット(「火襷」と呼ぶ)のように焼き付いたりと、窯の中で焼いているときに表れる様々な変化「窯変」が最大の魅力といえます。
続いては魅力あふれる備前焼のジャンルで人間国宝に認定された伊勢崎淳についてご紹介します。
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