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絵画

リトグラフと版画の違いは?特徴や価値、簡単な見分け方を解説2026/03/10

リトグラフと版画の違い

リトグラフと版画の違いとは?その関係性や技法ごとの特徴、美術品としての価値、そして簡単な見分け方についてこの記事では解説します。

リトグラフは版画という大きなカテゴリの中の一技法であり、彫るのではなく描くことによる絵画的な表現が可能になるものです。
当記事を読めば、リトグラフと他の版画との違いが明確になり、作品の価値を判断するための基礎知識が身につきます。

リトグラフと版画の関係性|結論、リトグラフは版画の一種です


結論から言うと、リトグラフは数ある版画の技法の一つであり、「リトグラフ」と「版画」は対立する概念ではありません
「版画」という大きな枠組みの中に、「リトグラフ」が含まれるという包含関係にあります。
リトグラフは版の形状から「平版画」に分類され、石版石を用いることから日本語では「石版画」とも呼ばれます。

版画には他にも木版画や銅版画など様々な種類が存在します。

そもそも版画とは?4つの種類とそれぞれの技法を解説


リトグラフと版画の違い

版画とは、木や金属、石などで作られた「版」にインクをのせ、紙などに転写することで絵を制作する技法の総称です。
同じ版から複数の作品を制作できるのが特徴です。
インクがのる版の構造によって、大きく「凸版画」「凹版画」「平版画」「孔版画」の4種類に分類されます。

私たちがよく知る浮世絵に使われた木版画も、この中の一つである凸版画に該当します。

凸版画:版の凸部分にインクをのせる技法(木版画など)


凸版画は、版の出っ張った部分(凸部)にインクを付けて刷る、最も古くからある基本的な版画技法です。
彫刻刀などで版材の不要な部分を彫り下げ、残った凸部分にローラーでインクをのせて紙を重ね、圧力をかけて転写します。
代表的なものに木版画やゴム版画があり、学校の図工で経験した人も多いでしょう。
彫り跡による力強い線や、版材の素材感を活かした素朴な風合いが特徴です。

凹版画:版の凹部分にインクを詰める技法(銅版画など)


凹版画は、凸版画とは逆に、版に彫られた溝(凹部)にインクを詰めて刷る技法です。
主に銅や亜鉛などの金属板が用いられ、ビュランやニードルといった道具で直接彫ったり、酸で腐食させたりして溝を作ります。
版全体のインクを拭き取ると溝の中だけにインクが残るため、湿らせた紙を乗せて高い圧力をかけることで、溝のインクを紙に写し取ります。

繊細でシャープな描線や、インクの盛り上がりによる重厚な質感が特徴で、銅版画がその代表です。

平版画:水と油の反発を利用する技法(リトグラフ)


平版画は、版に物理的な凹凸を作らず、化学的な原理を利用して絵を描く部分と描かない部分を分ける技法です。
リトグラフは平版画の代表例で、水と油が反発し合う性質を利用します。
石やアルミの平版に油性の画材で直接描き、薬品処理を施すことで、描いた部分はインクがのり、それ以外の部分は水を保ってインクを弾くようになります。

これにより、彫ることなく描いたままのイメージを刷ることが可能です。

孔版画:インクが通過する穴を作る技法(シルクスクリーン)


孔版画は、版にインクが通り抜けるための穴を開け、そこからインクを押し出してイメージを転写する技法です。
枠に張った絹や化学繊維の布を版として使用し、絵柄以外の部分の網目をふさぎます。
版の上にインクを置き、スキージと呼ばれるヘラでこすることで、網目が開いている部分だけインクが通過して下に置いた紙に刷られます。

シルクスクリーンが代表的で、鮮やかな発色と均一な色面表現が特徴です。

リトグラフの制作方法と絵画的な表現の特徴


リトグラフと版画の違い

リトグラフは、他の多くの版画技法のように版を「彫る」必要がないため、作家が直接「描く」ことができるという大きなメリットがあります。
水と油の化学的な反発作用を利用することで、クレヨンや筆で描いた繊細なタッチや濃淡をそのまま紙に写し取ることが可能です。
この描画の自由度の高さと表現力の豊かさが、リトグラフが多くの画家に愛されてきた理由の一つです。

彫らずに描く!水と油の性質を利用した制作工程


リトグラフの制作は、まず石版石やアルミ版といった版材の表面に、リトクレヨンや解墨などの油性画材で直接絵を描くことから始まります。

次に、アラビアゴム溶液などで版面を処理し、描画部分をインクが定着しやすい親油性に、それ以外の部分を水を保ちやすい親水性に変化させます。

版を水で湿らせてから油性のインクをローラーで乗せると、描画部分にのみインクが付着します。

最後に、プレス機を使って版と紙に強い圧力をかけ、インクを紙へと転写して刷り上げます。

筆やクレヨンの繊細なタッチをそのまま再現できる表現力


リトグラフの最大の魅力は、その高い表現力にあります。
版を彫らないため、クレヨンのざらついた質感、筆で描いたかすれや滲み、繊細な濃淡のグラデーションといった描画材のタッチが、ほぼそのまま作品に反映されます。
まるで作家が直接紙に描いたような、柔らかく絵画的な表現が可能です。

複数の色を使う場合は、色ごとに版を制作して何度も刷り重ねる「多色刷り」という工程を経ます。
これにより、色が混ざり合って生まれる複雑で深みのある色彩表現が実現します。

【技法別】リトグラフと他の主要な版画との違いを比較


リトグラフは「描く」ことで生まれる絵画的な表現が特徴ですが、他の主要な版画技法と比較するとその違いはより明確になります。
ここでは、木版画、銅版画、シルクスクリーンとリトグラフの表現や質感の違いについて具体的に見ていきます。

木版画との違い:彫り跡がなく、柔らかな描線が表現できる


木版画が彫刻刀で彫ることによるシャープで力強い線や、版木の木目を活かした風合いを特徴とするのに対し、リトグラフは筆やクレヨンで直接描くため、彫り跡が存在しません
そのため、描線の強弱やかすれ、ぼかしといった、より自由で柔らかな描画表現が可能です。
根本的に「彫る」か「描く」かという制作アプローチの違いが、作品の印象を大きく左右します。

銅版画との違い:シャープな線ではなく、絵画のような濃淡が出せる


銅版画は、金属板にニードルなどで細い線を刻むため、非常に繊細でシャープな描線表現を得意とします。
一方、リトグラフはクレヨンや解墨を使って面で描くことができるため、柔らかな濃淡の階調や絵画的なグラデーション表現に優れています
銅版画が緻密な線の表現に適しているのに対し、リトグラフはより自由なタッチで絵画のような豊かな濃淡を描き出せます。

シルクスクリーンとの違い:インクの重なりによる深みのある色彩表現が可能


シルクスクリーンは、版の穴からインクを押し出す技法のため、インクを厚く盛ることができ、ポップで鮮やかな発色や均一な色面表現が特徴です。
これに対し、リトグラフはインクを刷り重ねて色を表現するため、色が混ざり合うことで生まれる透明感や複雑な色調、深みのある色彩表現を可能にします。
シルクスクリーンがグラフィカルでフラットな印象を与える一方、リトグラフはより絵画的でニュアンスに富んだ表現に向いています。

美術品としてのリトグラフの価値と簡単な見分け方


ピカソやシャガールといった有名画家のリトグラフ作品は、美術品として高い価値を持ち、高値で取引されています。
しかし、一方でポスターなどの商業印刷物と混同されることも少なくありません。
美術品としてのリトグラフの価値はどこで決まるのか、そして一般的な印刷物と簡単に見分ける方法を知っておくことは、作品を正しく評価する上で非常に重要です。

ポスターなどのオフセット印刷との決定的な違いは「網点」の有無


リトグラフと、カレンダーやポスターなどに用いられるオフセット印刷との最も明確な違いは「網点」の有無です。
オフセット印刷は、色や濃淡を表現するために、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックといった色の微細な点の集合体で構成されています。

一方、リトグラフは作家が作った版から直接インクを転写するため、この網点が存在しません
虫眼鏡やルーペで作品の表面を拡大観察し、網点が見えればオフセット印刷、インクが均一にのっていればリトグラフである可能性が高いと判断できます。

作品の価値を左右する5つのチェックポイント


リトグラフ作品の資産価値は、いくつかの要素によって総合的に判断されます。
作家のサインや限定部数を示すナンバーはもちろんのこと、作家の知名度や作品の保存状態、サイズなども価値を大きく左右する重要なポイントです。
これらのチェックポイントを知ることで、作品の価値をより正確に把握できます。

【ポイント1】作家本人による直筆サインが書かれているか


作品の下部の余白に、作家本人が鉛筆で署名した直筆サインがあるかどうかは、価値を判断する上で最も重要な要素の一つです。
このサインは、作品が作家自身の監修のもとで制作され、完成品として承認されたものであることを証明します。
版にあらかじめ描かれたサインが一緒に刷られている「版上サイン」の作品は、直筆サインのものに比べて評価が低くなる傾向があります。

【ポイント2】限定部数を示すエディションナンバーが記載されているか


エディションナンバーは、作品が限定された枚数で制作されたことを示すもので、「10/100」のように分数形式で表記されます。
分母が総制作枚数を、分子がその中の何番目の作品であるかを示します。
この限定性によって作品の希少価値が生まれます

一般的に、分母の数字が小さい、つまり総制作枚数が少ない作品ほど希少性が高く、価値も上がる傾向にあります

【ポイント3】作家の知名度や作品の人気は高いか


作品の価値は、制作者である作家の知名度や市場での人気に大きく影響されます。
世界的に有名な巨匠の作品や、美術市場で需要の高い人気作家の作品は、当然ながら高価で取引されます。
また、同じ作家の作品であっても、その作家を代表するモチーフや、特に人気の高い年代に制作されたシリーズは、他の作品よりも高い評価を受けることが一般的です。

需要と供給のバランスが価格を決定する重要な要素となります。

【ポイント4】日焼けやシミ、破れがなく保存状態は良好か


美術品全般に言えることですが、作品の保存状態は価値を大きく左右します。
リトグラフは紙を支持体としているため、湿気や紫外線に弱いという特性があります。
用紙全体が茶色く変色する「日焼け(ヤケ)」や、湿気による「シミ」、カビ、破れ、折れなどのダメージがあると、作品の価値は著しく低下します。

直射日光の当たらない場所で、適切な湿度を保って保管されているかどうかが重要です。

【ポイント5】作家保存用を示す特別な記号(A.P.など)が入っているか


エディションナンバーの代わりに、「A.P.」や「E.A.」といったアルファベットが記されていることがあります。
これらはそれぞれ英語の「Artist's Proof」、フランス語の「Epreuve d'artiste」の略で、「作家保存用」を意味します。
これらは販売用のエディションとは別に刷られ、作家自身が手元に残しておくためのものです。

市場に出回る枚数が非常に少ないため、希少価値が高いとされ、通常のエディションナンバーの作品よりも高値で取引されることがあります。

リトグラフと版画の違いに関するよくある質問


ここでは、リトグラフと版画の違いについて、特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q1:リトグラフはなぜ一般的なポスターよりも高価なのですか?


A:リトグラフは作家や職人が一枚ずつ手作業で刷る美術品であり、限定部数しか制作されないため希少価値があるからです。
また、作家本人の直筆サインが入ることで付加価値も生まれます。
機械による大量生産が可能な一般的なポスターとは、制作工程と希少性の両面で根本的に異なります。

Q2:手元にある作品がリトグラフか印刷物か簡単に見分ける方法はありますか?


A:虫眼鏡やルーペで作品の表面を拡大し、「網点」と呼ばれる色の点の集まりがあるかを確認する方法が最も簡単です。
インクの微細なドットで色が表現されていればオフセット印刷による印刷物、インクが均一にのっていて網点がなければリトグラフの可能性が高いです。

Q3:リトグラフとシルクスクリーンの見た目の違いを教えてください。


A:リトグラフはクレヨンのタッチや筆のかすれなど、絵画的な繊細な表現が特徴です。
一方、シルクスクリーンはインクが厚く盛られ、ポップで鮮やかな、均一の色面表現を得意とします。
リトグラフは柔らかな濃淡、シルクスクリーンはくっきりとした色彩と覚えておくと良いでしょう。

まとめ


リトグラフは版画の一種であり、平版画という技法に分類されます。
版を彫るのではなく、水と油の反発作用を利用して「描く」ことにより、筆致や濃淡といった絵画的な表現を可能にする点が最大の特徴です。

木版画の力強さや銅版画のシャープさとは異なる、柔らかな質感を持ちます。
美術品としての価値は、作家のサインやエディションナンバー、保存状態などによって決まり、ルーペで網点の有無を確認することで一般的な印刷物と見分けることが可能です。

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