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コラムコラム

絵画

作風って何?絵画の作風を画派・技法・テーマ別に分類!代表的な種類を一挙解説2026/06/02

絵画の作風

絵画は、描かれた時代や画家によって様々な「作風」が存在します。
作風を理解することは、美術鑑賞をより深く楽しむだけでなく、自身の創作活動のヒントを得るためにも役立ちます。

この記事では、複雑に見える絵画の作風を「画派・様式」「技法・画材」「テーマ・モチーフ」の3つの視点から分類し、それぞれの代表的な種類を分かりやすく解説します。
美術史の知識を整理したい方から、自分らしい表現を探している方まで、ぜひ参考にしてください。

そもそも絵画の「作風」とは?3つの分類方法を解説


絵画における作風とは、画家の思想や感性、技術などが表れた作品全体のスタイルのことを指します。
筆遣いや色彩、構図、モチーフの選び方といった要素が組み合わさって、作家独自の個性を形成します。

作風を理解するためには、大きく分けて3つの分類方法があります。
1つ目は時代背景や芸術運動による「画派・様式」、2つ目は油彩や水彩といった「技法・画材」、3つ目は風景画や肖像画などの「テーマ・モチーフ」による分類です。
これらの視点から作品を見ることで、より多角的に絵画を理解できます。

【画派・様式別】時代を象徴する代表的な絵画の作風


絵画の作風

絵画の歴史は、様々な芸術運動や様式の移り変わりによって紡がれてきました。
特定の時代や地域で共通の理念や表現方法を持った画家の集まりは「画派」と呼ばれ、その様式は後世の芸術に大きな影響を与えています。
ここでは、美術史の流れを追いながら、時代を象徴する代表的な画派・様式とその特徴を紹介します。

それぞれの様式が、どのような時代背景から生まれ、何を表現しようとしたのかを知ることで、作品への理解がより一層深まります。


均整と調和を重んじる新古典主義


新古典主義は、18世紀後半から19世紀初頭にかけてフランスを中心に発展した美術様式です。
古代ギリシャやローマの美術を理想とし、明確な輪郭線、安定した構図、抑制された色彩を用いて、均整と調和の取れた理知的な美を追求しました。
主題としては、古代の神話や歴史、英雄的な物語などが好まれ、道徳的で荘厳な雰囲気を持ちます。

それはまるで格調高い叙事詩のように、秩序と理性を重んじる当時の社会情勢を反映していました。
代表的な画家には、ジャック=ルイ・ダヴィッドやドミニク・アングルがいます。


感情の躍動を描き出すロマン主義


ロマン主義は、新古典主義の理性や形式主義への反発から、18世紀末から19世紀前半にかけてヨーロッパで広まった芸術運動です。
この様式は、個人の感情や想像力、情熱といった主観的なものを重視し、それをダイナミックな構図や色彩豊かな筆致で描き出すことを特徴とします。
神話や文学、異国の風景、自然の脅威など、ドラマティックで感動的な主題が好まれました。

ウジェーヌ・ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』などが代表作として挙げられ、人間の内面の激しさを表現することに重きを置いています。


ありのままの現実を追求した写実主義


写実主義(リアリズム)は、19世紀半ばのフランスで、ロマン主義の理想化や劇的な表現に対抗して生まれた芸術運動です。
この様式は、神話や歴史といった伝統的な主題から離れ、同時代のありふれた日常や、名もなき労働者、農民の姿などを脚色せずにありのまま描くことを目指しました

社会的な現実を客観的に見つめ、美化することなくキャンバスに写し取ろうとする姿勢が特徴です。
代表的な画家であるギュスターヴ・クールベやジャン=フランソワ・ミレーの作品は、当時の社会情勢を映し出す貴重な記録ともなっています。


光と色彩の変化を捉えた印象派


印象派は、19世紀後半のフランスで始まった、絵画史上最も有名な芸術運動の一つです。
画家たちはアトリエを飛び出し、屋外の光がもたらす効果や空気感をキャンバスに捉えようとしました。
その特徴は、明確な輪郭線を描くのではなく、素早い筆致で色彩を並べる「筆触分割」という技法にあります。

これにより、木々の葉が風にそよぐ様子や水面のきらめきなど、刻一刻と変化する情景の「印象」を鮮やかに表現しました。
クロード・モネやピエール=オーギュスト・ルノワールらの言葉を借りるなら、彼らは見たままの世界を描いたのです。


力強い色彩と大胆な筆致が特徴のフォーヴィスム


フォーヴィスムは、20世紀初頭にフランスで起こった短期間の芸術運動で、「野獣派」とも呼ばれます
この様式の特徴は、対象が持つ固有の色にとらわれず、画家自身の感情を表現するために、原色を多用した強烈で純粋な色彩を用いる点にあります。
筆致は荒々しく、形態は大胆に単純化されています。

絵画の中に主観的な感情を直接的に表現しようとするこの試みは、後の表現主義などにも大きな影響を与えました。
アンリ・マティスやアンドレ・ドランが中心的な画家として知られています


内面的な世界を表現する象徴主義


象徴主義は、19世紀末に写実主義や印象派といった外面的な世界を描くことへの反発から生まれた芸術運動です。
この様式は、目に見える現実の背後にある観念や思想、夢、神秘、死生観といった内面的な世界を、象徴的なイメージを用いて表現しようと試みました。
神話や聖書、文学などを題材に、暗示的で謎めいた雰囲気を持つ作品が多く生み出されました。

ギュスターヴ・モローやオディロン・ルドンといった画家たちは、現実世界を超えた精神的な領域を絵画を通して探求したのです。


幾何学的な形で対象を再構成するキュビスム


キュビスムは、20世紀初頭にパブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックによって創始された、西洋美術に革命をもたらした様式です。
最大の特徴は、対象を単一の視点からではなく、複数の視点から同時に捉え、それを幾何学的な形に分解し、画面上で再構成する点にあります。

伝統的な遠近法や陰影法を否定し、対象の本質的な構造を二次元の平面に表現しようとしました。
当初の分析的キュビスムから、色彩が豊かになる総合的キュビスムへと展開していきました。


目に見えないものを描く抽象絵画


抽象絵画は、20世紀初頭に登場した、具体的な対象を描かずに、色、形、線、質感といった純粋な造形要素だけで構成される絵画の様式です。
現実世界の再現から完全に離れ、画家の内面的な感情や精神性、音楽的なリズムなどを直接的に表現することを目指します。

ワシリー・カンディンスキーのように、内なる感情を激しい色彩と形で表現する「熱い抽象」と、ピエト・モンドリアンのように、水平線と垂直線、三原色で構成された幾何学的な「冷たい抽象」に大別されます。
目に見えない世界の表現を追求した様式です。

【技法・画材別】表現の幅を広げる絵画の作風


絵画の作風

画家の表現したい世界は、どのような画材や技法を用いるかによって大きく左右されます。
画材が持つ特性は、作品の質感や色彩、雰囲気そのものを決定づける重要な要素です。

例えば、同じ風景を描く場合でも、油絵具で描くのと水彩絵具で描くのとでは、全く異なる印象の作品が生まれます。
ここでは、油彩画や水彩画、日本画など、代表的な技法・画材別に作風の特徴を解説し、それぞれの表現の可能性を探ります。


重厚な表現と深い色彩が可能な油彩画


油彩画は、顔料を乾性油(リンシードオイルなど)で練った油絵具を用いて描かれる絵画で、英語では「Oil painting」と呼ばれます。
乾くのが遅いため、制作中に修正や加筆がしやすく、絵具を塗り重ねることで深い色彩や重厚な質感を表現できるのが大きな特徴です。
光沢のある画面や、筆遣いの跡(マチエール)を活かした立体的な表現も可能です。

ルネサンス期に技法が確立されて以来、多くの巨匠たちに愛され、現代に至るまで西洋絵画の主流であり続けています。


透明感あふれる軽やかなタッチの水彩画


水彩画は、顔料をアラビアガムなどで練り、水で溶いて使用する絵具で描かれます
最大の特徴は、絵具の層が透明であるため、紙の白色を活かした明るくみずみずしい表現ができる点です。
水分の量によって、にじみやぼかし、かすれといった多彩な効果を生み出すことができます。

例えば、空や水の表現によく用いられます。
乾きが早く、一度描くと修正が難しいという側面もありますが、その偶然性や一回性の効果が、軽やかで詩的な作風を生み出す魅力となっています。


速乾性で重ね塗りしやすいアクリル画


アクリル画は、20世紀半ばに登場した比較的新しい絵画技法で、アクリル樹脂を媒材としたアクリル絵具を使用します。
水で溶いて使用できますが、乾くと耐水性になるという特徴があります。
非常に速乾性が高いため、制作をスピーディに進められ、重ね塗りが容易です。

また、油彩画のような厚塗りから水彩画のような透明感のある薄塗りまで、幅広い表現が可能です。
キャンバスだけでなく、紙、木、金属など様々な素材に描ける多様性も魅力の一つです。


岩絵具が織りなす独特の質感を持つ日本画


日本画は、日本の伝統的な様式や技法に基づいて描かれた絵画です。
画材には、鉱石を砕いて作られた岩絵具や、貝殻から作られる胡粉などの天然顔料を、動物の皮や骨から作られる膠で溶いて使用します。
和紙や絹といった支持体に描かれることが多く、岩絵具の粒子によるざらついた独特の質感や、落ち着いた深みのある発色が特徴です。

輪郭線を重視し、平面的で装飾的な表現や、余白を活かした構図も日本画ならではの作風と言えます。


墨の濃淡で世界を表現する水墨画


水墨画は、墨を用いて描かれる東洋の伝統的な絵画です。
墨の黒一色でありながら、水の量を調整することで生まれる濃淡、にじみ、かすれ、ぼかしといった多彩な表現によって、万物の色彩や光、空気感までも描き出します。
筆の勢いやタッチによって、描く対象の質感や生命感を表現し、描かれていない「余白」を活かすことで、無限の奥行きや静寂さを感じさせる構図が特徴です。

書道とも深い関わりを持ち、精神性を重んじる作風が多く見られます。


彫りや刷りの工程で生まれる版画


版画は、木や金属、石などの版に絵を彫ったり描いたりし、その版にインクをのせて紙に刷り取ることでイメージを転写する技法です。
同じ作品を複数制作できる点が大きな特徴です。
木版画の素朴な彫り跡、銅版画のシャープで繊細な線、リトグラフの描画的なタッチ、シルクスクリーンの鮮やかな色彩など、版の種類によって全く異なる表現が生まれます。

彫りや刷りといった間接的な工程を経ることで、手描きの絵画とは一味違った独特の作風が生まれます。

【テーマ・モチーフ別】何が描かれているかで見る絵画の作風


絵画の作風

絵画は、その時代や画家の関心を反映して、様々なものが描かれてきました。
何を描くか、つまり「テーマ」や「モチーフ」もまた、作品の作風を決定づける重要な要素です。
同じ画家であっても、壮大な歴史の一場面を描くのか、身近な静物を描くのかによって、作品の雰囲気は大きく異なります。

ここでは、絵画の主題として古くから描かれてきた代表的なテーマを取り上げ、それぞれの特徴や見どころについて解説します。


自然の風景や都市景観を描いた風景画


風景画は、山や川、海、田園といった自然の景観や、都市の街並みなどを主題とする絵画です。
かつては宗教画や肖像画の背景として描かれることが多かったですが、17世紀のオランダでジャンルとして確立し、19世紀の印象派の登場によって全盛期を迎えました。
自然の美しさや雄大さをありのままに描くものから、画家の心象風景を投影したもの、社会の発展を記録したものまで、その表現は多岐にわたります。

光や大気の変化が重要な要素となることが多く、時間や季節の移ろいを感じさせます。


果物や花瓶などを配置して描く静物画


静物画は、果物や花、食器、楽器、書物など、動かない(静かな)ものを主題として描く絵画です。
日常生活にある身近なモチーフを通して、質感や色彩、光と影の表現といった画家の描写力を示す場とされてきました。

また、描かれるモチーフには、人生の儚さ(ヴァニタス)や豊穣、学問といった象徴的な意味が込められることもあります。
配置や構図の工夫によって、ありふれたものが芸術的な美しさを持つ作品へと昇華されるのが静物画の魅力です。


人物の姿かたちや内面を写し出す肖像画


肖像画は、特定の人物の姿を描いた絵画です。
単に外見を似せて描くだけでなく、その人物の地位や職業、人柄、さらには内面的な精神性までも表現することを目指します。
注文主の権威を示すための公式な肖像画から、家族や友人など親しい間柄で描かれる私的なものまで、その目的は様々です。

モデルの表情やポーズ、服装、背景に描かれた持ち物などが、その人物がどのような人間であるかを物語る手がかりとなります。


神話や聖書の物語を題材にした宗教画


宗教画は、キリスト教の聖書やギリシャ・ローマ神話などの宗教的な物語、聖人や神々を主題とする絵画です。
かつて文字を読むことができない人々が多くいた時代には、絵によって教えを伝え、信仰心を高めるという重要な役割を担っていました。

ルネサンス期には、遠近法や解剖学の知見が取り入れられ、より人間的で劇的な場面が描かれるようになりました。
描かれた場面や人物を特定するための約束事(アトリビュート)が数多く存在することも特徴の一つです。


歴史上の出来事や人物を記録する歴史画


歴史画は、過去に起こった重要な歴史的事件や、戦争、英雄的な行為などを主題とする絵画です。
西洋の絵画ヒエラルキーにおいては、宗教画や神話画と並んで最も格式の高いジャンルとされてきました。

単なる出来事の記録にとどまらず、国家の威信を高めたり、道徳的な教訓を伝えたりする意図を持って制作されることが多く、壮大でドラマティックな構図が特徴です。
描かれた人物の服装や背景などを通して、当時の時代背景を知ることもできます。


庶民の日常生活の一場面を切り取った風俗画


風俗画は、特定の高貴な人物や歴史的事件ではなく、庶民の日常生活や労働、祭り、市井の風景などを主題とする絵画です。
17世紀のオランダや江戸時代の日本の浮世絵などで特に発展しました。
人々の生き生きとした姿や、当時の暮らしぶり、文化を知る上で貴重な資料となります。

教訓的な意味合いを持つものから、単に日常の一コマを愛情深く見つめたものまで様々で、見る者に親しみやすさを感じさせます。

自分だけの作風を見つけたい!オリジナリティを生み出す3つのステップ


絵画の作風

絵を描き始めると、多くの人が「自分らしい絵」「オリジナリティのある作風」を見つけたいと考えるようになります。
しかし、独自の作風はすぐに確立できるものではなく、様々な試行錯誤の積み重ねによって少しずつ形成されていくものです。
ここでは、自分だけの表現スタイルを見つけるための具体的な3つのステップを紹介します。

焦らずに一つ一つのステップに取り組むことが、オリジナリティへの近道となります。


ステップ1:好きな画家の作品を徹底的に模写する


オリジナリティを追求する上で、基礎となる技術の習得は不可欠です。
その最も効果的な方法の一つが、自分が好きだと感じる画家や憧れる画家の作品を徹底的に模写することです。
ただ形や色を真似るだけでなく、「なぜこの構図なのか」「どのような筆遣いで描かれているのか」「この色の組み合わせはどういう効果を生んでいるのか」などを注意深く分析しながら描きます

優れた作品の構造を深く理解することで、その技術を自分のものとして吸収し、後の創作の土台とすることができます。


ステップ2:様々な画材や技法を試してみる


自分の表現の可能性を広げるためには、慣れ親しんだ画材や技法だけでなく、様々なものに挑戦してみることが重要です。
例えば、いつも鉛筆で描いているなら水彩絵具を使ってみたり、アクリル絵具で厚塗りを試してみたりすることで、予期せぬ表現が生まれることがあります。
異なる画材の特性を知ることは、表現の幅を大きく広げます。

また、自分では思いもよらなかった画材が、実は自分の表現したいことに最も適しているという発見につながる可能性もあります。


ステップ3:自分の表現したいテーマを深掘りする


技術の探求と並行して、「自分は何に心を動かされ、何を描きたいのか」というテーマを深掘りすることが、作家としての核を形成します。
日常生活で美しいと感じた風景、心に残った出来事、社会に対する問題意識、好きな物語や音楽など、自分の興味関心の源泉を探ってみましょう。

なぜそれに惹かれるのかを自問自答し、描きためた作品を見返すことで、自分の中に一貫したテーマが見えてくることがあります。
このテーマが、技術と結びついたとき、真のオリジナリティが生まれます。

絵画の作風に関するよくある質問


絵画の作風について学ぶ際や、自身の創作活動を進める中で、様々な疑問が浮かぶことがあります。
ここでは、特に多くの人が抱きやすい「作風」と「画風」の違いや、模倣の問題、スランプの対処法など、よくある質問について簡潔に回答します。

Q1:「作風」と「画風」にはどのような違いがありますか?


A:「作風」は作家の思想やテーマ性、世界観などを含む総合的な創作スタイルを指す言葉です。
一方、「画風」は筆致や色彩、タッチなど、主に絵の表面に現れる技術的な特徴や見た目の雰囲気を指す場合が多いです。
作風のほうがより広義で、作家の内面性まで含んだ概念と言えます。

Q2:有名な画家の作風を真似することは問題ないのでしょうか?


A:学習や研究を目的として模写することは、画力を向上させる上で有効な方法であり、問題ありません。
しかし、その模写作品を自分のオリジナル作品として発表したり販売したりすると、著作権の侵害にあたる可能性があります

先人から学びつつ、最終的には自分自身の表現へと昇華させることが大切です。

Q3:自分の作風がなかなか定まらない場合、どうすれば良いですか?


A:作風が定まらないことに焦る必要はありません。
多くの作品を鑑賞して好きな表現を探し、様々な画材を試しながらとにかく描き続けることが重要です。
自分が「何を描きたいか」「何を美しいと感じるか」を追求する過程そのものが、徐々に作風を形作っていきます。

試行錯誤の時間を楽しむ気持ちが大切です。

まとめ


絵画の作風は、「画派・様式」「技法・画材」「テーマ・モチーフ」といった複数の視点から分類して捉えることで、その背景や特徴を体系的に理解できます。

美術史上の様々な様式を知ることは美術鑑賞の解像度を高め、画材やテーマによる違いを知ることは創作の引き出しを増やします。

また、独自の作風は、先人の作品から学び、様々な技法を試し、自身の内面と向き合う過程を経て、時間をかけて形成されるものです。

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