書画　1902‐1990

日本の書道会における楷書の大家。「書は楷書にはじまり楷書に終わる」という名言で知られている。江戸時代より続く書家の家に誕生。書を父の柳田泰麓に学び、泰雲の号を授かる。唐の書家である欧陽詢風の楷書によって弱冠25歳で文部大臣賞を受賞。生前は数々の書道団体や展覧会の立ち上げに参画。泰東書道院、東方書道会、読売書法会、全日本学生書道連盟、現代書道二十人展などを創設した。晩年は草書や篆書など表現の幅を広げた。しかしその中でも紺紙金泥を用いた楷書作品が名高く、世界の美術館や図書館をはじめ、中国、アメリカの首脳陣に贈呈されている。中国の王羲之の碑文「蘭亭序」や唐代の欧陽詢の碑文「九成宮醴泉銘」など楷書の古典作品や行草書を臨書した法帖も多数刊行され、現在も楷書を学ぶ人々の手本として重宝されている。

 

年表

1902年　東京に誕生
1914年　父親の柳田泰麓より泰雲の号を授かる
1927年　日本書道作振会展において文部大臣賞を受賞する
1932年　東方書道会を結成し、審査員となる
1934年　東京高島屋で初の個展を開催する
1952年　全日本学生書道連盟を創設する

1957年　現代書道二十人展の企画、創設を行う
1958年　学書院を開設する
1963年　アメリカ各都市で個展を開催する
1983年　大英図書館に紺紙金泥作品が収蔵される
1984年　中国の鄧小平主席、胡燿邦総書記、アメリカのレーガン大統領に紺紙金泥作品を贈呈する
1989年　中国政府文化部より栄誉証を授与される
1990年　逝去