版画家。前半生では本の装丁を手掛けていたが、ドイツの表現主義の展覧会に感銘を受け版画を制作するに至る。関野準一朗らとともに一木会を結成し、若手版画家の育成も手掛けた。また後年は日本で浸透していない抽象画にいち早く取り組んだ画家でもある。

略歴

1891年　東京府南豊島郡淀橋町に生まれる
1910年　東京美術学校予備科西洋画科に入学。また白馬会原町洋画研究所に通う
1911年　東京美術学校予備科彫刻科塑像部志望に入学。竹久夢二らとともに「都會スケッチ」、西川光二郎の「悪人研究」の装丁を手掛ける
1912年　東京美術学校予備科西洋画科志望に再入学
1914年　ドイツ表現主義の展覧会に感銘を受け版画の創作を始める
1915年　抽象画の「抒情」シリーズの制作を始める
1917年　詩人である萩原朔太郎作「月に吠える」の装丁を手掛ける
1929年　創作版画倶楽部を設立し、「新東京百景創作版画」を頒布する。
1931年　日本版画協会が設立され、常任委員となる。
1934年　パリの装飾芸術美術館の「日本現代版画とその源流展」に7点出品する。
1936年　国画会版画部の会員に推挙される。
またスイスのジュネーブ市博物館で開催された「日本の古版画と日本現代版画展」に10点出品する
1939年　関野準一郎らとともに、版画の研究会「一木会」を結成。後進の育成にあたる
1953年　国際版画協会が設立され、初代理事長に任命される
1955年　逝去

代表作

「抒情」シリーズ、「フォルム」シリーズ